スピリチュアル

木に宿る精霊が訪ねて来た話

昔から「木には精霊が宿る」などと言われて来ましたし、日本には御神木のある神社も珍しくはありません。以前、カンボジアでゲストハウスを経営していた時、建物に隣接した木を切り倒したことにより起きた不思議な話をしたいと思います。

精霊の宿る木を切ったことが全ての始まり

これは私が師と出会いヒーラーになる数年前のお話です。

アンコールワットで有名なカンボジアのシェムリアップという都市で当時、私は中国系カンボジア人のビジネスパートナーと共にゲストハウスを経営していました。

ある日、ゲストハウスの建物のすぐ側に生えている一本の木を切り倒すことに。この木はすでに大きくなりすぎて、根が建物を破壊する恐れがあるために切らねばならないとのこと。木を切ることに気乗りしませんが、所有者から借りている建物を壊すわけにもいかず・・・

日本にいると想像もつきませんが、カンボジアの木の成長は非常に早く、わずか数年で側にある遺跡や建物を破壊してしまうほど。アンコールワット遺跡群なんて十年やそこらで景観がだいぶ変わるんです。久々に訪れると「あれ?こんなに遺跡ぐちゃぐちゃだっけ・・・?」ってなるほどに。

そんなわけで、全スタッフ総動員で大きな木を切り倒して片付けることになりました。

当時私の恋人も客人として泊まっていたのですが、彼は最後まで木を切ることに反対していました。両親ともにヒーラーの彼はチャネリング体質で、子供の頃から木や自然霊のような存在と会話をしてきたそう。来日した際に日本の神社に連れて行った時も自然霊が宿る木々から何がしかの情報を得ているようでした。

結局私たちは一日がかりでその木を切り倒し、その日の夜から不思議な出来事が始まりました。

毎晩部屋を訪れる親子

当時、私たちは建物の一階にある客室をそれぞれ自室として使用していました。あの木を切った翌朝から、ビジネスパートナーがこんなことを言いだしました。

「深夜に誰かが俺の部屋をノックした。客かと思ってドアを開けると、子供を連れた母親らしき人が佇んでいるんだ。彼女は無言で立ち尽くしてるんだけど、しばらくするとふっと消えてしまった・・・」

そんな事が毎晩続き、彼は地元のシャーマンをゲストハウスに呼びました。カンボジアを始めとする一部のアジアでは、白魔術や黒魔術などが人々の生活に根付いており、病気や目には見えない物事をシャーマンに相談するのも一般的なのかもしれません。

行き場を失った自然霊

そのシャーマンいわく、毎晩部屋に来た親子は私たちが切り倒した木に宿る自然霊のようでした。木が無くなった今、行き場を無くし何かを訴えたかったのかもしれません。

人間が作り出した残像思念や負のエネルギーなどは比較的簡単に浄化出来ますが、自然霊はそう簡単にはいかないようです。今回のように我々人間が迷惑をかけている場合もありますし。

まず初めに私たちは木で鳥の巣箱のようなものを作り、設置。シャーマンが自然霊をその中に移した後、ゲストハウスの敷地全体のエネルギーの浄化を行いました。この建物は元々空気の循環の悪い作りで人の想念が溜まりやすく、波動が下がっていました。

中国系カンボジア人のシャーマンは気功や仏教系の法術を使うようでした。インドと中国が中間地点のカンボジアで入り混じったような・・・お札やマントラはサンスクリット語と中国語のダブル使いが特徴的で、レイキで使うシンボルと同じものも描かれていました。

この日以来、自然霊が部屋を訪ねてくることはなくなり、ゲストハウス全体の雰囲気も軽く明るくなりました。

空間のエネルギーが変わったことはスタッフやお客さんも感じたようで。色々な人にゲストハウスの感じが明るくなったとか、呼吸がしやすくなったなんて言われました。(以前は建物の空気の流れが非常に悪く、換気をしないと空気がどんどん重苦しくなったんです)

やはり人間は目に見えないものを敏感に感じ取る能力があるのでしょう。シャーマンは良い仕事をしてくれたようです。

最後に

日本でも地鎮祭と言って土地の神様(自然霊・スピリット)を祀り、土地を利用する許しを乞う儀式がありますが、今回私たちが行った儀式もそれに近いかもしれません。昔の人たちは今よりずっと自然の中で霊的なものを感じて生きていたのでしょう。

saya